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SDGsコラム13/17「気候変動に具体的な対策を」

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SDGsコラム13/17「気候変動に具体的な対策を」

気候変動への対策

今回はSDGs17の目標の13番目である「気候変動に具体的な対策を」についてお話していきます。

この目標では「気候変動から地球を守るために、今すぐ行動を起こそう」というテーマのもとに取り組みを行っています。

ここで定義されている「気候変動」とは“気候を構成する気温などが変化すること”を言い、自然が要因となって起こるものと人為的な要因によって起こるものに分けられます。

SDGsの取組として「具体的な対策」を講じなければならない問題は、主に人為的な要因によって起こる気候変動から発生しており、以下のような問題が挙げられます。

【気温の上昇】
世界の年間平均気温は19世紀後半から上昇を続けています。産業革命以前と比較したときの平均気温は2011∼2020年の10年間で1.09度上昇していました。2006∼2015年の0.87度上昇と比べたとき、地球全体の気温の上昇が加速度的に進行しているということがわかります。

このままの状態が続くと、産業革命以前と比較した平均気温は2021~2040年の20年間で1.5度上昇、2041~2060年の20年間では最大2.4度上昇することが危惧されています。

「2度」と聞くと大したことなさそうな印象を受けるかもしれませんが、はるか昔に地球で起こった氷河期の時も平均気温の変化はわずか2∼4度だったそうです。

現在起こっているのは気温の上昇なので氷河期とは真逆の状態ですが、「2度」という気温の上昇は大きな影響をもたらす可能性があることがわかるかと思います。

【海水温度の上昇】
海面は気温の上昇にともなって温度を吸収しています。熱が吸収され、水温の上がった海では酸素の含有量が低くなり海の生態系に影響が出たり、水の性質上温度が上がると膨張するため体積が増え海面が上昇するなどの影響があります。

海面温度の上昇が気温上昇と異なる点は、海洋は大気と比べて変化がしにくいということです。これは、温度上昇の影響が出るまでに長期的な時間がかかるということでもありますが、裏を返せば一度変化してしまうと元に戻すのに相当な時間がかかるということでもあります。

こうした気候変動から生じる問題の主な原因となっているのは人類の活動によって排出されている二酸化炭素を含む温室効果ガスです。

気候変動に関する世界全体の取り組みとして、2015年に開催されたCOP21ではパリ協定が採択され、2016年11月4日から発効されています。

パリ協定は、1997年に定められた京都議定書の後継となるもので、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」「そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる」ことが目標として掲げられました。

この協定では参加している国すべてに対して温室効果ガスの排出量を削減するための努力が求められており、地球全体として取り組んでいくためのアプローチが採用されています。

また、各国の取り組みは定期的に進捗共有がされており、取り組みに対する透明性も確保しながら目標の達成に向けて取り組まれています。

【目標に対する現状】
2021年の国連によるSDGs報告によると

・気候危機は続いていてほとんど収まっていない
→2020年の地球の平均気温は産業革命前の気温を1.2度上回っており、パリ協定が求める1.5度未満に収まる目処は立っていない状況です。

・増加する温室効果ガスの排出量
→現在の温室効果ガスの排出量を維持していると地球温暖化を止めることは難しく、目標を達成させるためには経済をカーボンニュートラルに移行していく必要があります。

・開発途上国154ヵ国のうち125ヵ国が国家気候変動適応計画を策定・実施中
→食料の安定生産/確保や人々の健康、主要な経済分野とサービスなどを含む最優先事項に対しての計画の策定・実施が進んでいます。

【私たちにできること】
「カーボンニュートラル」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
これは、排出した二酸化炭素(CO2)と同じ量を吸収または除去することによって、プラスマイナスゼロにする取り組みのこと。
日本では2050年までにカーボンニュートラルによる脱炭素化社会の実現を目指していますが、ある国内企業では2040年までに温室効果ガスの排出量をゼロにするという目標が発表されており、事業全体の流れを見直し、吸収しきれない分は、カーボンオフセット(植林や森林保護、クリーンエネルギーへの資金提供など)によって補うことを宣言しています。

2022年2月14日
Writer:フォーバル関西支社