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SDGsコラム14/17「海の豊かさを守ろう」

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SDGsコラム14/17「海の豊かさを守ろう」

私たちが海に与えている悪影響とは

今回はSDGsの17つの目標のうち、
14番に該当する「海の豊かさを守ろう」に焦点を当てて説明していこうと思います。
 
この目標では「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、
持続可能な形で利用する」ということがテーマになっています。
 
海は、私たちが住んでいる地球の約7割を占めており、
私たちも海からたくさんの恩恵を受けて生活しています。
 
海にいる魚の存在も私たちを支える恩恵の一つです。
特に、日本人は魚が好きな人も多いのではないでしょうか。
日本料理といえば、「寿司」と答える人も少なくないでしょう。
食卓に魚料理が並ぶことは当然のことになっています。
 
しかし、魚が生きている海がプラスチックのゴミによって汚染されていっているのです。
環境省の資料によると、世界のプラスチックの生産量は1964年からの50年で約20倍以上も増加しており、毎年少なくとも800万トン分のプラスチックが海に流出しています。また、プラスチックは自然分解されることがなく、半永久的に自然界に存在し続けるため、重量だけで比較すると、海のプラスチックの量は、2050年までに海の魚の量を上回ると予測されています。
 
「海のプラスチックのゴミが増えるとどうなるのか?」
 
海のプラスチックのゴミが増えることによる大きな影響としてまず挙げられるのは、海の生物への被害です。現在、海洋ゴミによって魚類だけでなく、ウミガメやクジラなどの海洋哺乳動物など、少なくとも700種もの生物が傷つけられたり死んでしまったりしています。そのうちの92%が、プラスチックのゴミが原因で、例えば、ウミガメがポリ袋を餌と勘違いしてしまって食べてしまい、それが胃にとどまることで満腹と勘違いし、食事をとらず餓死したりしています。
その他にも、海のプラスチックのゴミは、間接的に経済にも影響を与えており、それは漁業や養殖業だけではなく、観光業にまで及んでいます。実際にアジア太平洋地域でのプラスチックのゴミの年間の経済損失は、漁業・養殖業で年間3.6億ドル、観光業では年間6.2億ドルにのぼると推定されています。
 
「日本の現状」
 
では、日本はどれくらいプラスチックを使用しているのでしょうか。
実は日本は一人当たりのプラスチック使用料がアメリカに次いで世界で2番目に多い国です。 
生活していても身の回りはたくさんのプラスチック製品であふれていると思いませんか?
 
とは言っても、しっかりと分別しているから使用量が多くても大丈夫、と考える人も多いかもしれません。でもそれも、分別されたプラスチックゴミが日本国内で処理されているわけではなく、一部は海外に輸出しており、そしてその海外に輸出されたゴミがすべて適正処理されているというわけではありません。また、国内で処理していても、およそ半分はプラスチックを燃焼してエネルギー回収しているため、二酸化炭素排出にもつながり、地球温暖化への対策という面で見ると、持続可能な形で利用することはできていません。
したがって、分別しているから大丈夫ということは全くなく、根本の使用量を抑えることが最も重要なことになります。

私たちにできること

私たちにできること

では、私たちにはどんなことができるのでしょうか。
 
私たちが海を守るために身近でできることはさまざまあります。ただ、その中で最も手を付けやすいのは、ポリ袋の使用を抑えることです。
国内で年間に使用されるポリ袋の枚数は、400億枚と推定されており、これは国民が毎日1枚は使用している計算です。
 
コンビニの普及によってポリ袋の使用量は増えていくばかりで、2020年7月からポリ袋が有料化されエコバッグを持ち始める人も増えましたが、依然ポリ袋を使用する人も多いのが現状です。
ポリ袋はとても便利です。しかし、ポリ袋を使用することによって、私たちの暮らしを壊しかねないということを国民一人一人が意識する必要があるのです。
 
その他にも、企業が取り組めることとして、MSC認証というものをご存知でしょうか。これはMSC(海洋管理協議会)の厳格な企画に適合した漁業で獲られた持続可能な水産物にのみ認められる証であり、通称「海のエコラベル」とも言われています。資源の持続可能性、漁業が生態系に与える影響、漁業の管理システムの3つの原則に基づいて審査されています。
 
2010年にイオン株式会社がMSC認証がついた製品の取り扱いを拡大すると発表し話題となりましたが、SDGsが注目され始めたことによって、よりMSC認証の認知度も上昇しています。
消費者側としても、MSC認証がついた商品を買うだけで海を守ることにつながります。認知度が上がるにつれて、今後こういった取り組みをしている企業の商品が優先して選ばれる時代が来るかもしれません。
消費者・生産者ともに、国民一人一人ができることから行動を移し、私たちの海を私たちの手で守っていきましょう。
 

出典
国際連合広報センター
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/15775/

環境省資料
https://www.env.go.jp/water/marine_litter/00_MOE.pdf

プラスチック使用料
SINGLE-USE PLASTICS

一般社団法人 MSCジャパン
https://www.msc.org/jp

2022年2月21日
Writer:フォーバル関西支社