世界にあふれる様々な課題（発展途上国が抱える課題～先進国が抱える課題まで幅広く）に対して、国連加盟193か国が2016年～2030年の15年間で達成すべき17の大きな目標と169のターゲットを全会一致で採択したのが、「SDGs」です。「誰一人も取り残さない」をスローガンに、持続可能な未来をめざす世界共通の取り組みであり、いま急速に世の中に広がっています。

リンク：https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

世界の市場動向として、東京オリンピック、大阪万博、ドバイ万博のコンセプトがSDGsとなっていたり、金融機関もESG判定という企業を評価する際に、「環境・社会・ガバナンス」への取り組みが適切に行われているかを重視する投資方法（責任投資宣言）が採用されていたりします。
そのため、SDGsの取り組みにつながる事業をもとに経営を進めることが、中長期的な利益を生み出し、ビジネスを持続可能にし、全体として企業価値を高めることにつながるため広がりをみせています。

SDGsそのものが、企業の参加を前提としていることを、国連が明言しており、それによって、「企業はまず責任を持って自らのビジネスを行い、その上でビジネスにおける変革とコラボレーションを通じて、社会的課題を解決する機会を追求すること」が重要だとされているためです。
また、世の中の人々の価値観がエシカル消費などのSDGsの考え方に染まっていることも背景の一つとして挙げられます。

技術革新、情報化社会が進展することで、商品やサービスの差別化が困難になっている今、会社そのものが世の中から「選ばれる」状態を作ることが必要であると考えられます。
選ばれる会社になるためには当然ですが、世の中の価値観の変化に対応することは必要であり、エシカル消費などのSDGsの考え方に染まっている中ではその変化を企業経営に取り入れ、発信することが差別化の重要な要素になります。
そういった実行可能で受容性がある目標やターゲットに限定せずに、自社事業に取り入れ発信することを通じて、取り組みを広げるパートナーや応援してくれる顧客とのつながりを作り、企業経営に活かしていくことが必要になります。

MDGsという2001年にまとめられた2015年までの国際目標が前身にあり、素晴らしい活動ではありましたが、途上国の支援に重きを置きすぎた結果取り組みを「自分事」にできず広がらなかった反省を生かし誕生したのがSDGsです。
※日本における認知度は3.8％程度しかなかったといわれています。
特徴としては大きく3点あり、

1. 一つ目はESG投資の広がりにより、金融機関のスコアリングにも影響を及ぼすようになったこと
2. 二つ目は先進国・途上国ともに関係ある内容で構成されていること
3. 三つ目はこれまでの結果として、あらゆる国でSDGsの取り組みを達成するための動きが広がっていること

結果として、その過程で生まれる経済効果1200兆円以上になるといわれていることから「自分事」として受け入れられ急速に社会の中で広がりを見せています。

まずは、SDGsとは何かを全従業員が理解するところから始めましょう。

1. 一つ目は企業内で「方向性」を話し合い、自社の取組みとSDGsとひも付け宣言すること
2. 二つ目はSDGsの項目の何に取り組むかを検討した上で、自社の事業にひも付く独自の取り組みを創発すること
3. 三つ目は、自社の取り組みをオウンドメディア（自社Webサイト、SNS、ブログなど）、アーンドメディア（プレスリリースや専門サイトへのPR）にて外部へ発信すること

働き方改革に対応することや、エコバッグやマイボトル、オーガニック商品を利用していくこともSDGsに取り組むことに該当します。
ただ、持続可能な社会・環境に貢献すること、また、会社自体が持続可能であり続けるためにも、会社の続く限り、SDGsの取り組みを継続し、持続できる体制を維持していくことが必要となります。そのためにも、取り組みの際に、今期の具体的な計画を立て、その計画通りに実践されているかをチェックし、問題があれば、改善を行うことが大切です。そして、今期の取り組みが終われば、来期の計画を作り、さらに、効果的で、意義のある、SDGsの取り組みを実践していくのが望ましいでしょう。

目標4「質の高い教育」、目標9「産業と技術革新の基盤」、目標16「平和と公正」が達成を示すグリーン評価を得られています。

ESGとはEnvironment（環境）・Society（社会的責任）・Governance（企業統治）に配慮した企業活動を指し、投資家が企業価値を図る際に注目する指標となっています。そのためSDGsと考えの根本は近いものがありますが、SDGsは「目標」であり、ESGはその目標を達成するために企業が取り組む「手段」という位置づけになります。例えば企業がプラスチック製のストローを廃止し、紙製のストローを導入するなどESGを重視した活動を行うことで、SDGsの13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献するという状況が挙げられます。

CSRは企業の社会的責任を意味する単語です。企業の持続的な成長を目的とし、顧客や社員、取引先等、かかわるすべての人に対して信頼を得るために行われる慈善活動です。SDGsとの違いとしてはCSRが「社会をよくするためのボランティア」なのに対し、SDGsは「ビジネスを用いて社会をよくする」ことを主体としている考え方という点です。CSRの方は収益性や持続可能性が薄く、企業の事業とは完全に別の活動である募金や地域清掃等が具体例として挙げられます。

SDGsを普及させるためとはいえ、SDGsのロゴを使用したグッズを販売する際には申請が必要となりますが、営利目的以外の申請や許可は、基本的に取らずに使用することができます。
そのため、例えば、SDGsの勉強会を開催するためのチラシ等、SDGsを社会に普及させるために使用する場合は自由に使用することが認められていると言えます。
（その他のガイドライン規定に沿っていることが大前提です。）
元々、SDGsのロゴは、SDGsを世界に広めるために作成されているので、その目的のために、正しく使用していれば問題はありません。

SDGsを取り組むのに特別な資格はありません。 またISOのように法的拘束力はありません。
そのため、自主的な取り組みが基本ルールです。

していると言えます。例えば、「エコバッグ」や「マイボトル」、「オーガニック商品」などを使用することはSDGs達成のために個人でできることでかつ、発信が可能です。

最も簡単なのはオウンドメディア（自社Webサイト、SNS、ブログなど）です。
もちろんこれだけでは不十分ですので、アーンドメディア（プレスリリースや専門サイトへのPR）を活用して自社の取り組みを発信していくことが必要です。
どれだけ素晴らしい活動をしていたとしても、情報化が進む中では、単純な発信だけではなかなか人々の目にとまることはありません。そのため、しかるべき場所での発信（SDGsの考え方に興味を持つ人が集まる場所）が重要になります。