多彩なエコフレンドリー製品で、サスティナブルな暮らしをもっと身近に
株式会社清峰林
2022年7月14日
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再生生地から生まれた使いやすいサスティナブルバッグ。
再生素材から生まれた、毎日使えるサスティナブルバッグ
再生生地からつくられたバッグの見た目や質感は、革素材のものとほとんど変わりません。その特長として軽さや耐久性、撥水性にも優れるため、日常的に使える安心感があります。リサイクル製品をふだん使いのバッグに取り入れることは、環境保護につながるだけでなく、自然環境について意識するきっかけにもなります。
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歯ブラシなどの客室備品にも、環境にやさしい自然素材を使用。
自然由来の素材から作る、さまざまなエコフレンドリー製品
歯ブラシやカミソリの柄に、もみ殻などの植物性素材を使用した客室備品も開発しています。植物由来の製品は、環境保護に取り組む宿泊施設から注目され、ニーズが高まっています。また、室内の塗装に用いる珪藻土塗料も取り扱っています。壁紙に比べ低コストで模様替えできるほか、優れた吸水性による湿度調整機能を持っています。こうした特性を活かし、珪藻土からつくる浴室バスマットやコースターなども積極的に考案中。自然に向き合ったエコフレンドリーな製品を次々と世に送り出しています。
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潘さんの出身地である中国の雪景色。中国でも年々降雪などが減り、地球温暖化や環境汚染の影響が懸念されています。
自分の納得できることで、社会に貢献する仕事がしたい
潘さんは約20年前に留学生として来日し、日本の大学院に進学しました。当初は文化や生活観の違いに驚くことが多かったと言います。
「日本のゴミ分別に触れ、環境問題への意識にとても感心しました。来日するまで経験したことがなかったので、とてもカルチャーショックを受けました」と話す潘さん。
多くの中国人留学が同じように文化の違いに戸惑っているに違いないと感じ、大学院では中学校で学ぶ中国人学生を対象に学校や言語への適応について研究を始めました。
「生活面が大変だという声はよく聞きました。ゴミの分別し忘れや、何をどのように分別して、どの曜日に出せばいいのかといったことをよく相談されるので、留学生指導の一環として、そういったことも教えました」。
研究を進める上で学習支援員として活動した潘さんは、次第に「人の支えになる」ことに意義を感じるように。それは「社会の役に立ちたい」という思いへと膨らみ、日本に来て高まった環境問題への意識と結びつくことで、現在の事業を考えるきっかけになりました。
一方で、日本と出身地との気候の違いを実感したことも重要なポイントでした。潘さんは中国でも冬の寒さが厳しい内モンゴル出身。雪は身近な存在でしたが、来日し、大阪に住み始めてからは数回の大雪しか経験していないと言います。
「大阪で降雪が減少していることを知り、温暖化による気候への影響を感じています。気候変動を身近な生活のなかで実感したことで、環境問題の解決に向けて取り組みたいと思い始めました」。
そのチャレンジは「事業を行うなら自身が納得できることをしたい」という潘さんの気持ちにぴたりと当てはまり、現在の商品づくりへと結実していきました。
社会・環境・ビジネスへの影響
■再生生地や植物性素材を使うことで、廃棄物を削減
■エコフレンドリーな商品を広めることで、環境への意識を深める
■環境にやさしい商品を選ぶことが当たり前の世界をめざす
中国の現地工場では、さまざまな再生生地や自然素材の研究を進め、新しい商品開発へとつなげています。
再生生地を使ったエコフレンドリーな製品は、ペットボトルや廃ガラスといった廃棄物の増加を抑えることで自然環境の保護に貢献します。その一方で、再生生地をつくるためには大きなコストがかかってしまうというデメリットがあります。生地製造のための費用や設備導入のハードルの高さから、日本国内ではほとんど製造や流通をしておらず、現在取り扱っている再生生地も欧米向けの輸出が中心となっています。しかし、日本でもレジ袋の有料化などの動きから、環境問題への議論が高まり、少しずつ状況が変わり始めています。
「これからは、環境に関心のある企業への製品提案や、クラウドファンディングなどで独自の販売経路をさらに開拓し、少しでも環境にやさしい製品を日本で広めたいていきたいです」と潘さんは言います。
今後も、再生素材の研究や情報収集を進め、より社会に貢献できる事業に取り組んでいくという清峰林。再生生地によるリサイクル製品が社会に広まることは、地球や自然保護について意識するきっかけづくりにもなります。環境に対して向き合う気持ちが人々の間に芽生え、その考えが広がっていくことを潘さんは願っています。
「まだ注目されることの少ない再生生地ですが、環境問題解決のためには、とても可能性がある素材だと思っています。使う人が環境にやさしい商品を選ぶことが当たり前になる。そんな社会をめざしたいと思っています」。
国際社会の中で、私たちができること
急速にグローバル化する現代社会では、個人や地域を超えた国際社会の一員として、地球人や国際人という呼び方も聞かれるようになりました。地域に暮らす私たち一人ひとりも国際人であり、自分の行動や思いが住んでいる地域や国から、さらに海外へと国際的につながっていくと潘さんは言います。
「SDGsは2030年に向けた目標です。しかし、それは終わることのない取り組みだと考えています。目標を達成し、豊かな世界を実現するためには一人ひとりが問題意識を持って行動することが重要です。清峰林の事業をきっかけに社会のために行動する人を増やし、子どもたちが生きる未来まで地球の環境をつないでいきたいです」。
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VOICE
パートナーシップで切り拓くSDGs達成への道
現在は会社規模が小さいため、どこまで事業を発展させられるかは分かりません。しかし、自社の製品をひとつでも広め、取り組みについて知ってもらうことができれば、人々の意識を変えられると考えて地道に事業を進めています。
現代社会では、パートナーシップも重要視されます。他企業と連携することで、一社だけでは難しい事業も、交流を通じてお互いの知見を共有することで、新しいアイデアや発見につながります。清峰林も、他の協力企業や大学、研究機関などと連携し、新たな製品づくりを始めています。パートナーシップを通じて、開発力を培いながら、さまざまな製品開発の機会を増やすことで、SDGsの目標達成に向かって進むことができると思います。
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企業概要
会社名 株式会社清峰林 事業内容 廃棄物による再生生地でつくるバッグを中心に、自然素材の備品や珪藻土製品などSDGsに特化した製品を開発・販売している。 所在地 〒558- 0023 大阪市住吉区山之内3-16-20 電話番号 06-6690-0777 FAX番号 06-6690-0808 ホームページ https://www.seihourin.co.jp/