印刷に社会的な価値をプラスすることで、
紙を未来に残していく
東新印刷株式会社
2022年9月27日
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東新印刷が取り扱う製品の例
環境負荷を軽減された印刷製品と、発注者を繋ぐハブ役として
現在は、環境負荷を軽減した印刷用紙やインクなど、SDGsと印刷物を結びつけたさまざまな製品が開発されていますが、まだまだ一般的ではありません。
東新印刷は、そのような環境に配慮された印刷製品の開発に取り組む企業と連携し、さまざまな製品を、発注者に積極的に紹介・発信しています。
たとえば、廃棄されるバナナの茎を再生した「バナナペーパー」、廃棄米や非食用米を活用した「kome-kami(コメカミ)」、埋蔵量が豊富な石灰石を原料に、木や水を使わず作られた「ライメックス」、SDGsETでも紹介した、デットストックとなったインクを活用した「サスティナブルブラックインク」など、バラエティー豊かな製品を取り扱っています。
環境負荷を軽減した印刷製品と、印刷物を求める企業や消費者を繋ぐハブ役を担い、SDGsの製品を採用する企業を広げていくことで、印刷に新たな価値を生み出し、持続的に印刷業界が発展できる環境づくりを、東新印刷はめざしています。
紙の「無駄」をなくす取り組みも
また、東新印刷は「紙のデータ化」にも取り組んでいます。
紙は決して社会に不要なものではありませんが、紙が社会にあふれてしまっていることは事実です。
たとえば、何十年も前に印刷した資料を保管するために、自社のビル内や倉庫の大きなスペースを資料室としている企業が数多くあります。
物理的にあふれ返ってしまっている資料などをスキャニングし、データ化することで、紙が生み出してしまう「無駄」を削減する取り組みを、環境負荷の少ない印刷製品の普及と同時並行で推し進めています。
紙に新たな価値をプラスアルファすることが、これからの印刷業には必要
紙を未来に残すためにも、新たな価値を創り出すことが必要
SDGsなど社会の環境意識の高まりや、ペーパーレス化の波によって、「このまま何もしないと衰退してしまう」という危機感をもったことが、この取り組みのきっかけだと代表の新留さんは言います。
「印刷は設備さえあれば、クオリティの差はあれど誰でもできてしまいます。消費者や企業の環境への意識が高まる中で、何か価値を印刷にプラスアルファできなければ、これからの発展はないだろうと感じていました。社会的な価値を印刷に加えることができれば、我々の利益だけではなく、『紙を未来に残していく』という、印刷業界全体が抱える大きな目標の実現に貢献できるのではと考え、この取り組みをスタートさせました。」
社会・環境・ビジネスへの影響
■小規模から始められる取り組みで、企業のSDGsを後押し
■印刷業界が持続的に発展していくために
■新たな取り組みによって可能性が広がった
東新印刷が推進している「環境に配慮された製品による印刷」や「紙のデータ化」は、比較的小規模からでも始められるため、「SDGsの必要性は分かるが、何から始めればいいか分からない」といった企業が、SDGsに取り組むための入り口にもなっています。
また、SDGsという新たな切り口による取り組みを行ったことで、ビジネスの可能性が広がったと代表の新留さんは言います。
「確実に問い合わせの件数が増えてきており、社会全体の環境への意識の高まりを実感しています。企業同士の新たなつながりも生まれ、ビジネスの可能性が広がりました。また、自分自身の仕事のモチベーションにも良い影響を与えてくれました。ペーパーレスの風潮が高まる中で、『これから印刷業界はどうなるんだろう』という不安を感じていました。しかし、この取り組みを始めたことで、さまざまな人々から関心を持ってもらい、紙が持つ可能性を改めて信じることができました」
「紙を楽しむ」選択肢を子どもたちに残していきたい
これからの目標を、代表の新留さんに聞きました。
「私たちと同じように、未来の子どもたちが紙の良さを『当たり前のもの』として受け止められる環境を残していきたいです。特に絵本などは紙の本と電子書籍で読むのとでは体験の質が全く異なると思います。紙ならではの体験を子どもたちにこれからも届けるためにも、環境に配慮された製品を普及させると共に、紙のデータ化によって、紙が現在生み出してしまっている無駄をなくすことが必要だと思います。この取り組みを推し進めていくことで、『紙を楽しむ』という選択肢を、子どもたちに残していきたいです」
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VOICE
「まずは第一歩を進めること」と、
「自分たちの事業を見つめ直すこと」がアイデアのヒントに何事もそうですが、まずは「今できること」から始めることが、大きな取り組みに繋がっていくと思います。たとえば、名刺一枚から環境負荷の少ない製品を使うなど、すぐに始められることはたくさんあります。そこから得たヒントが、プロジェクトを生むアイデアに繋がっていくのではないでしょうか。また、自分たちの事業は一体どういった内容のものなのか、改めて見つめ直すことも重要です。「今、なにができるのか」と「今、なにができているのか」を考えることが、SDGsと事業を結びつけるきっかけになるのだと思います。
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企業概要
会社名 東新印刷株式会社 事業内容 オンデマンド印刷を主とする印刷、製本、加工・情報処理サービス(文書電子化他)、動画・VR撮影/編集、翻訳、ホームページ制作 所在地 〒531-0076 大阪市北区大淀中1丁目8-26 電話番号 06-6453-2106 FAX番号 06-6453-3202 ホームページ https://to-shin-print.co.jp/